蝶の舞う丘「ホームページ一覧」 - 詩の小部屋 

風香の詩2のパート10

*息子のネクタイ


息子が高校一年の夏休み明け
「高校をやめる」と言い出した時
私は「お父さんと相談するように」と
言いました
海外に単身赴任していた夫と
息子が電話で話をしたら
思いがけなく
すぐに高校をやめると
話がついてしまった
息子は受話器を置くと
すぐに高校のネクタイを
ゴミ箱に捨てた

だからと言って
まだ何も分からない息子に
高校をやめさせる訳には行かない
高校だけは何としてでも
卒業させたい
息子を説得しても
独りで悩んでいても
何の解決法も見つからなかった

しかるべき人に相談しよう
必ず解決法は見つかるはずだ
そう思ったこの時から
私は恥だとか外聞は捨てることにした
息子の為になることなら
何だってする
相談できる人には
誰にでも相談した
頼める人には
誰にでも頼んだ

休んだり
遅刻を繰り返しながら
高校に通っていた
息子の気持ちは
いつも揺れていた

多くの人に支えられながら
自分の進むべき道が
ようやく見えて来たように
思えたのは
息子が高校三年の春を迎えた頃でした
それから季節は変わり
大学の面接に行くという日
あの時息子が捨てた
ネクタイを
出してやりました

2003年06月04日

*ただそれだけ


私が傷付いたのは

私が話を始めた途端に

私が悪いと言われたから


悪いとか

悪くないとか

そんなことじゃなくて

ただ話を

聞いて欲しかった

ただそれだけだったのに

2003年06月04日

*算数


  三時間目の算数の時間に
先生が
「計算をやって下さい」って
言ったから
みいちゃんは
計算してみたんだけど
一問だけ
わからなかったの
そうしたら
けんちゃんが
指で四ってやって
両方のお手々を
上にあげて
カニさんみたいに歩いて
答えを教えてくれたんだよ
本当は
答えが四だったのに
みいちゃんは八だと思って
八と書いちゃったの

夕食の時
みいちゃんは
カニさんの真似をしながら
学校でのことを
とっても楽しそうに
話してくれました

2003年06月04日

*息子の優しさ


来客中に高三の息子から
「迎えに来て欲しい」と電話があった
少し送れて
雨の中を息子の高校へと
車を走らせた
途中で工事をしていたので
回り道をして
慌てていた私は
狭い道路で
対向車と接触してしまった

相手の方に事情を話し
先に息子を迎えに行ってから
車屋さんで落ち合った
ほんの少しかすった程度だったから
大したことはないと
思っていたのに
八万円かかると言われた
その金額を聞いて
困惑する私に
息子は落ち着いて
「警察へ行こう」と言う
来た道を戻って
警察に行くことにした
その間
寒い車の中で
待っていたことも
帰宅するのが
遅くなってしまったことも
息子は文句ひとつ言わない
日頃反抗的な息子が
何も言わない
この子はこんなにも
優しい子だったんだ
分かったよ
今度また
反抗的な態度をとっても
優しい心を見せて貰ったから
もう不安になったりはしない

2003年06月04日

*親の代わり


近くに住む兄が
大家族に振り回されて
駆け回っている私を見て
「買い物でも何でも
俺に出来ることならやるから
何でも言え」と言う
つい私もその言葉に甘えて
「それじゃ〜
コピー用紙買って来て」
「長女の剣道の防具が壊れちゃったから
修理に出して来て」と
頼むことにした

お休みに
三男と長女にお買い物に付き合わされた時
「今度さ〜
おじちゃんに連れて行って
もらってくれないかな〜?」と
何気に聞いてみた
すると二人で声を合わせるように
「絶対やだ」という答えが返って来た

雨の降る朝
次男に「高校まで乗せて行って」と頼まれた時
「今度さ〜
おじちゃんに乗せて行って
もらってくれないかな〜?」と
何気に聞いてみた
やはり次男も同じ
「絶対やだからな」という答えが返って来た

う〜〜ん、品物は頼めたんだけど
子供は親でないとダメなんだな

2003年06月04日

*良かった


あなたを知って

良かった

たとえ会うことなど

なくても

あなたと同じ時に

生きることができて

良かった

あなたのことを

考えることができて

良かった

2003年06月04日

*反抗期


あれは忘れもしない
次男が中二の三月
注意したら
逃げ出したので
追い駆けた
裸足で庭に飛び出したので
鍵をかけた
ベランダから入った様子だったので
知らない振りして
床に就いた
夜遅くになってから
「鼓膜が破れた」と
大騒ぎしてやって来た次男
ベランダには
お布団が敷いてあった
耳かきをしていたと言う
翌朝から次男を連れて
病院通いが始まった
全治一ヶ月

あれは忘れもしない
次男が高一の十二月
注意したら
ストーブを蹴飛ばした
かなりへこんでしまったので
長男に「注意してよ」と頼んだら
次男に殴りかかろうとしたので
慌てて止めた
もういいだろうと
手を放した隙に
長男は次男を殴っていた
その拍子に
次男の持っていた
お茶碗が落ちて割れた
運悪くその破片を
踏んでしまった長男
夜遅くに病院にお願いして
傷口を縫って貰らった
この日から長男を連れて
病院通いが始まった
今でも長男の足の親指には
あの時の傷跡がある

馬鹿だな
反抗期だよ
もう
向きになったりはしない 

2003年06月04日

*おつきあい


もしも私が
ネコさんと
おつきあいを
するとしたら
少し優しくして
少し厳しくして
甘やかさないように
することでしょう

もしも私が
ヘビさんと
おつきあいを
するとしたら
少し目をそらして
少し距離をおいて
噛みつかれないように
することでしょう

もしも私が
あなたと
おつきあいを
するとしたら
少し仲良くして
少し本音言って
いつまでも友達で
いることでしょう

2003年06月04日

*息子からのメール


家を離れて暮らしてる
大学二年の息子から
久しぶりに来たメール
「うずらの卵って
ボケ防止になるんだって」

これはおばあちゃんに
食べさせるようにって
ことだと
分かったんだけど
「お母さん
食べなきゃ!」って
メールした

すると息子から
またメールが来た
「ばーちゃんに
食べさせようよ」って

遠く離れて暮らしていても
やっぱり長男は考えてる
家族のこと 

2003年06月04日

*お父さん


次女のお友達に
「みいちゃんのお父さんは
偉い人なの?」と聞かれたので
「少し偉いかな」と答えておいた

家に帰って
みんなが集まった時に
その話をすると

夫は
「お父さんは
みんな偉いんだ」とまじめに言った
うん、なるほどな
うまいことを言う

長女は
「内弁慶で
外地蔵」と笑って言った
うん、なるほどな
うまいことを言う

2003年06月04日

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