風香の蝶の舞う丘「ホームページ一覧」 - 風香の川柳の小部屋 

短歌1(2002.11まで)

短歌と都々逸も少し載せています

パート1 あ行


秋風に揺れて揺られて青空に 向かいグングン伸びるススキよ

秋の日の空覆う雲まるでもや かかったような私の心

暖かい地方に咲いた菜の花の 鮮やかな色目に春を呼ぶ

甘い香を漂わせ咲く越前の 雪の中より水仙の花

あれもこれも食べまだ食べると言う娘 みかんと叫び走り去ってく


Eメール心と心対話する 想像の中の君織り込まれ

忙しい言っていられるうちが華 明日をも知れぬその花の命

一週間もうすぐ終わるカレンダー 確かめ見てる今日は金曜

一緒にいたい気持ち堪えてするさよなら また逢える日を胸に描いて

いつの日かきっと行きたい見てみたい あの有名な尾瀬の水芭蕉

いつの間に慣れて我が物顔で鳴く 子猫はいずれ子の家戻る

いろいろな思い胸にはあるけれど 過去の私はもう見当たらず

いろんな人居るから人生面白い あるから人生やって行かれる


浮かぶ葉に短い命守られて 美しく咲く睡蓮の花

浮かぶ葉に短い命守られて 蓮はみごとに美しく咲く

疑っていたら切りないことだから だまされたって信じていたい

うちの子を小学校へと手をとって 連れてってくれたあの娘も二十歳

美しく甘い香りに誘われて いつしか蝶は花とたわむれ

産んだ親知らず卵は並べられ どんな親だと店で知らされ


覆う木に囲まれ吸ったいい空気 人間らしさ取り戻してる

大雪に倒れし南天陽へ向かい 自然に起きるたくましきかな

おかしいのと起きた夫にポツリと言えば もうパソコンを見ている夜更け

おばあちゃん聞いたとはっきり言える孫 言えず何度も聞いている嫁

おばさんは日焼けするのが嫌いだと 娘に指摘され苦笑している

お祭りの前の踊りのお稽古で 筋肉痛になりそうな腕

お祭りの翌朝息子の部屋からの 女の子等の声で目覚める

重い腰上げて一日掃除する 来客前日猛暑の中を

親にまで疑われたと苦笑する 夫見送る休日の朝

親の誘い断る娘で息子には 帰っておいでと言う母親で

パート2 か行


買い置きのタバコ無くなりかけたこと 気に掛けてないとポツリと夫

霞んでる空を見上げてしゅんとした 反省してる私の心

片付けてすっきり爽やか真っ白な 心になったような七夕

片付けてすっきり爽やか真っ白な 心になったような初春

壁に「ゴミ持ち込まないで」と書いてある 車に給油してるスタンド

かみ合わない歯車回し続けたら 壊れてしまうような関係

髪染めてる?たばこピアスは?と子は問われ いいえと答え誉められている


帰省して年の離れた妹に お兄ちゃん買ってに財布はゆるむ

帰省した兄も遊びに忙しい 遊ぼとねだる幼い妹

帰省子と帰るインコを見送って 秋急に来たみたいな我が家

帰省した時連れて来た息子の猫は どこか似ていてのんびりしてる

帰省する息子が連れて来ると言う 友の人数何と十名

昨日の暑い日過ぎて一夜明け 今日は冷たい風が吹く梅雨

昨日までチョコが並んだその場所へ いつの間にやらクッキー並ぶ

昨日より元気になった今日の顔 手鏡のぞき微笑んで見る


車から降りて娘が摘んで来た 秋の野の花 花瓶で開く


掲示板のように人生簡単に やり直せたらいいなと思う

ケータイを買った時には夫から 今帰るよとして来たメール


子が貰い祝った嬉しい皆勤賞 数年経てば邪魔なトロフィー

この頭困ったものと人ごとの ように話して嘆いて笑う

この家に嫁ぎ子を産み子を育て 女だなんて忘れたりして

娘の参観済めば病院義母送る 次から次へこれも幸せ

こんなにも上手になった娘の絵 まだ笑ってるママの似顔絵

パート3 さ行


遮って邪魔する雲に負けないで 残った雪を解かす太陽

さっきまで一緒にいたのにもう会いたい 会いたがってる自分に気付く

寒い日だって暗い日だってただ君が 居れば心は温かくなる

寒い日だって暗い日だって君が居る ただそれだけでそれだけでいい

去る者は追わずと教えてくれた君 いつしか吾もそれに倣いぬ


手術した父の手完治しないまま 一年過ぎて嫁ぎ先来る

七五三娘の手をとって善光寺 手合わせ祈る幸せ祈る

シナリオが出来てたなんて知らないで 罠にかかった小鳥が一羽

自分以外非難するなと書いてある 身に覚えあり振り返り見る

渋滞の道を車で子を送る 過ぎる時間に深まるあせり

順番待つ医者での長い待ち時間 本も読むけど居眠りもする

食卓にのぼるお肉お魚お野菜が 増えて季節は冬へと変わる

職人さん入り予定も延期する 日は早く暮れ日は早く過ぎ

知り合いの方のところで名を知って その方もまた知り合いとなる

知る人は誰も言わない風香さん 呼んで下さる新しい友


睡眠を邪魔し夜更けに帰宅した 子等は昼まで眠り続ける

水面に薄紫の花咲かせ ホテイアオイは今盛りなり

スーパーへ三男連れてお買い物 刺身の鮮度嗅ぎ分けている

スキーから戻った息子日に焼けて 筋肉痛と重い足取り

スキーだと言う長男に頼まれて 友の分もと作るおにぎり

少しだけ話しただけで人のこと わかったような気にならないで

少し前迎えたばかりのはずの年 半分終わる六月終わる

ステージで一歩前立ち劇をする なんと我が子の頼もしきかな


生活費子の通帳に入れて見れば 残高四百八十円也

洗濯物雨上がったら外に干そう そう思う間に乾いてしまう

川柳と短歌作ってページ埋め 心満たせば消えてた時間

パート4 た行


停学中十八歳のバースデー 迎えてる子の心境如何に

台風が去って戻って来た暑さ 日傘を差して自転車こぐ女性(ひと)

ただ君の笑顔をみれば幸せに なれただなんてまだ若かった

食べ物があふれる平和な中に居て ただ欲しいのはやさしい言葉


小さな歯生えて来たよと口開けて 見せる娘の歯をのぞき込む


出来た溝埋めては進みまた出来る 二十年過ぎまだ繰り返す

出来ないと言うけどホントは皆出来て 出来ない者は吾独りなり

手首痛め医者通いつつ剣道を 休まず続ける娘の身を案じ

出番だと待ってたように出る涙 卒業式の娘を想い

電話代気に掛けながら聞いている 遠い息子のして来た電話


特別に欲しい物などないけれど いいのないかとカタログめくる

取りあえず濃いコーヒーを飲んでいる 目覚まし時計に起こされた朝

パート5 な行


長い旅終えてようやく帰宅した 自転車哀れ鍵も壊され

長靴を履いた子の服買ってやり 服に合わせて靴も買わされ

何だって人ごとだから言えること 自分のことは大騒ぎして


人間を中心にして回る世で 生きる死ぬさえままならぬ牛


寝入りばな突然耳に騒がしい 音と夫の子を叱る声

眠ったら待ってる新しいあした 泣いて笑って怒って眠る

パート6 は行


バイク乗り停学となりバースデー 迎えた息子十八となる

初めての我が子歩いたその庭で ルピナスの花咲いて見守る

パソコンに任せられない年賀状 20年目のプリントゴッコ

パソコンの調子悪いの一言に ファイトを燃やす頼もしい夫

花火の音聞けば家には居られぬ子 見て来るだけで済まぬお祭り

母の前大威張りした息子等は 父の気配で姿くらます

春を待つ心に染みる暖かき 地方の写真に見るしだれ梅

「早く食べて」日々水分も抜けて来る みかんに春の声が聞こえる


彼岸には行かずじまいの墓参り 念入りにする日が過ぎた分

久しぶりに帰った兄におにいちゃんと 幼い妹言って離れず

久しぶりに息子の方から来た電話 どこで切るかと互いに思う

びしょ濡れの学生横目にMDを 母の車で聞く子の思いは

美人だね願望かしら素敵過ぎ 娘の描いたママの似顔絵

ビタミンCたっぷり入っている柿は 女心も満たして甘い

びっしりと書いた予定をひとつずつ 消して一枚終わるカレンダー

日々下がる温度日々陽は早く暮れ 秋の変化に心乱れる

昼仕度して我を待つ年老いた 父母の思いは変わることなし

陽を浴びて窓越しに咲くクロッカス 鉢には園児の名前書かれて


ふたつある心ひとつにできるなら 険しい山も乗り越えられる

不眠症の人の羨む我が娘 灯りを点けたままで爆睡

冬の朝傘もささずに自転車を こぐ学生を濡らすみぞれよ


頬寄せて仲良く寄り添う鹿を見て いいなと思う吾が可笑しくて

ホームページ「パソコン知らず開くのはお前くらい」とあきれる夫

干し柿の作る苦労を思いつつ ぎゅっと詰まった甘味広がる

パート7 ま行


またあとでと横目に見ながら新聞を とうとう見ぬまま今日も更け行く

まだ仕舞わない夏服押し退け飛び出した 冬服ニッコリ出番待ってる

待ち合わせ着いたとメールしてすぐに ふーんとだけの娘のメール

窓開けて梅雨明けの空仰ぎ見る 爽やかな風鳥はさえずり

○△ ☆も□も輪の中へ そして◇迎える側へ

(丸三角 星も四角も輪の中へ そしてひし形迎える側へ)


ミステリーサークルだよと教えられ 倒れし麦をしばし見ている

身の丈の倍ほどもあるススキ持ち 小一の子は山道駆ける

見るからに気の合う二人合いそうで やはり合わないジグソーパズル


麦畑倒れた麦でミステリーサークル現れ大騒ぎかな

六つの娘に付きまとわれて困るパパ パソコンゲーム教えて休む

六つの児眠る夫の上に乗り 満足そうにテレビ観ている


メールしてとメール入れたらTELしてと メールして来るそんな息子です

目覚ましに代わって起こす鳥の声 ウトウトしてた休日の朝

目の上のたんこぶに似た長男の 巣立ち次男の陽の目見る時


猛暑にも雨や風にも身一つで 耐えた木々のみ冬支度する

物思いに沈む夕陽を見つめてる 君の心をのぞいて見たい

物忘れ苦にする母へ嫁に金取られたとまだ言わぬと笑う

パート8 や行〜


山道を駆け回る娘の握る手の ススキ身丈の倍より高く

夕食を済ませ覗いて見るスーパー あと寝るだけという安堵感

雪の中自転車通の息子より パンクと弱気に助け求める

雪の中十六キロを自転車で 通う我が子を見るまで案じ

雪の日の送迎頼む反抗期の 息子幼き頃の笑み湛え

雪踏んで縁起物など集めてる 子の賑やかな声が行きかう


妖精にどこか似ている舞う蝶の 想い出たどりしたためてみる

夜空の星寒さ堪へて眺めてる 川柳ひとつ出来るまではと

よたよたと迷うことなく道渡る 太った猫をしばし眺める


楽をして痩せようなんて虫のいい 上手い話にある落とし穴


私色に染まり出せないカラーです 羨ましいと見つめてるだけ

我の顔見れば散歩をねだる犬 目を合わせずに一人出掛ける

我の知る我が愛したあの人は あなたの中にもう見当たらず

輪の中をのぞけば丸と三角で これじゃ入れぬ私は四角

我を見てニャーゴと鳴く猫不憫でも 心鬼にし餌はやらない

「都々逸」


家に置いたら手が掛かる娘 誰か良い人貰ってね

いつも強気で亭主関白 母親と娘には弱い


おしゃべりをして歩く人たち もくもく独り歩く人


腰が一番悪いと聞いて 私は頭とつい答え


夜のお散歩月は見守り 風は共にと頬撫でる

2023年01月更新



☆川柳の小部屋

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