風香の蝶の舞う丘「ホームページ一覧」 - 風香の川柳の小部屋 

川柳1(2000.12〜2002.5)

パート1 あ行


会える日を待ってて長い日を送る

味を知る為に一度は買ってみる

温めたり叩いたりして開けるビン

後から来たビルに太陽うばわれる

姉のメガネかければ姉妹瓜二つ

あの言葉も人の口から出た言葉

あのヒビはきっと私が入れたヒビ

あの星も違って見えていた二人

甘いって苺にちゃんと描いてある

甘柿の中で時々出会う渋

網戸替えあとは来る蚊を待つばかり

あり余る食べ物前に絶つ命

あり過ぎて不安にさせているお金

あるはずの建物つつみ隠す霧

あれもこれもやりかけたまま春は行く

あんなこと命かけてた若かった


いい運動できて感謝と草を取る

いい顔を作り鏡の顔を見る

いい人だあの人ボクを誉めている

家に居たらずっと子のまま親のまま

いく度のチャンスのがして今がある

一冊で家中回る漫画本

一匹の蚊に体調を崩される

犬に悩み聞いてもらって楽になる


上を見て育ち弟良く育ち

うちの娘が一人手を振る参観日

内弁慶外で出さないその個性

宇宙人と時々思う世代の差

美しさ恐さも秘めた白い雪

腕相撲子に勝つうちにしつけ終え

うれしそうな顔を作って人と会う

うわさなどどこ吹く風と聞かぬ耳


多過ぎる人に地球も持て余す

大掃除捨てて心が揺れている

怒ってる静まるまでは離れてる

お散歩の足元そっと照らす月

遅くても速いウサギと思うカメ

落ちて行く視力に代わる心の目

大人びた体の中に住む子供

お隣が解体されて丸裸

おばあちゃんにチラシ貰ってママの顔

お日様が当たる所で寝てる犬

思い出は作るものよと友に会い

お面などはずして私らしく生き

親居ると兄弟喧嘩よく泣いて

パート1-2 か行


母さんの胸を越えたら甘えない

買うものを思い出せずにいるお店

顔のパン食べさせ弱るアンパンマン

顔見れば人の心も読める犬

掛け声を独り言だと注意され

過去ばかり浮かび未だ見えない未来

風に身を任せて揺れている葉っぱ

片隅に別の人生仕舞い込み

悲しくて悲しくて良い詩ができた

悲しみを知った涙がこぼれ落ち

悲しみを優しく包む青い空

金持ちのお客さんには愛想いい

我慢していたら良い日が来るのにね

我慢ばかりしてた弟ついにキレ

かみ合わない時は言葉を仕舞い込む

神様も見落とすことがたまにある

ガラス玉喜んだ日もあった君

体にいいからと食べてはまた太り

体の毒出たと錯覚するサウナ

体より痛む心が気に掛かる

体より心に残る痛み増え

枯れ草が退けと新芽に邪魔をされ

瓦屋が瓦落ちると言って来た

眼鏡の助けがあれば働く目

簡単に病が止めた好きな酒


聞かないという優しさで癒される

着替える前の服のポッケに入れたまま

北風が心の隙間通り抜け

気持ち良く入る釘打つ大工の手

キラキラと無言で光る星が好き

切り方にそれぞれ好みあるカレー

きれいねと誉められたくて咲いた花

金運か健康運か迷う年


薬より医者との会話良く効いて

下ろうか上がろうかなと迷う坂

曇った日晴れた日雨の日どれも好き

曇り空雲をどかせば晴れた空

苦しくて笑顔うっかり忘れてた

クローバー幼い頃の髪飾り


今朝もまた幼稚園バス後を追い

決意した心電話で聞いて来る

決心も情に勝てない別れぎわ

玄関で福だけ通す招き猫

謙遜を否定されずに受け取られ


高速代浮いたお金で無駄遣い

コーヒーの助けを借りて動く朝

子が早く出て行くようにこき使う

言葉より黙るあなたのその態度

子供の頃の夫のおもちゃどうしましょ

子に同じ態度と言うが疲れたの

この体借りてのんびり住んでます

子の機嫌良くて話ができる朝

この生活いざとなったら捨てましょう

子の背中押す為親も立ち上がる

この頭痛カゼと教えてくれた喉

この町しか知らずに過ぎて行く焦り

この胸に輝く君が今も居る

この山も誰が捨てたかゴミの山

娘の指に慣れて編まれている毛糸

児はスコップ母はカマ持ち庭に出る

恐いから二人で開ける玉手箱

パート1-3 さ行


際限が無いのも辛い人の欲

サイフだけ黄色にしてもカラはカラ

逆立ちして見てたら長い砂時計

下がったと言う支持率はまだ高い

酒少し飲んで陽気になるのなら

寒いかと敷いた布団を破るポチ

散歩する靴の音まで弾む春


幸せって普通のことと思う今

幸せはたまに来るから幸せね

幸せを逆に運んでくれる寄付

幸せを人に分けたい嬉しい日

幸せを見つけられずにいる不幸

叱ること全くなくていい児なの

仕切られてうなずいてから気が付いた

下向いて歩きぶつけた時の傷

失敗からのスタートこれが運のツキ

実物と違う児の描く美人ママ

自転車に乗れた娘を待つ危険

シナリオは書き換えるのが秘訣です

死の淵で修業足りぬと拒否をされ

しばらくは来ない平和を夢で見る

弱点を知って見せられない涙

シャボン玉ほんの一時見てた夢

柔軟な心ひび割れなどしない

授業中静かにラインしています

情に負けずに心を鬼にする勇気

食事中飲み込んでから出る電話

白い息吐いて怪獣気分なり

信号待ちしてて思わず入る店

信号待ち塀よりのぞく薔薇の花

人生のつり橋渡る途中です

死んだ時メガネ入れてとおばあちゃん


水仙の芽を見て浮かぶ花の色

水槽に慣れて退屈する金魚

水槽の金魚に悩み打ち明ける

好きと言うあの日の気持ち嘘はない

好きなのはあなたの中のあなたです

すぐどこか行っちゃうメガネ捜す母

スケジュールボーナス見なきゃ決まらない

捨てられず何でも届く場所にある

ストレスはところどころに置いて行く


制服がない高校は嫌と言う

成功につなげる為の失敗ね

世界中どこでも酒は待っている

席を立つ人を待ってて座る席

接待漬け美味しそうだし語呂もいい


卒業式茶髪はいない皆勤賞

外は雨だけど心は今日も晴れ

それぞれの時を刻んでいる時計

存在を特に喜ぶポチが居る

パート1-4 た行


大家族の中で独りになれる時

大嫌い大好きなのも同じ人

大根とリンゴ転がる調理台

大事にする今は耐えろと教えられ

大丈夫つぎに来るのは幸せね

体調に今日の機嫌を左右され

太陽は出ていないのに暖かい

太陽は出てるはずだが雲の上

宝くじ当たり描いた夢が好き

立ち話するより早い遠回り

たったひとつだけの体を持て余す

旅に出ると言って向かいの店に行く

食べ過ぎと言ってた口へまたジュース

頼みたい時は笑顔でやって来る

頼みに来る時まで待って子を注意

卵焼きふっくら焼けて子の受験

タマネギが堪えた涙あふれさせ

黙らせて機嫌をとりに来る夫

貯めるしか知らずに生きた人の金

誕生日頼まれたのはお星様


地球にもまだ咲いているこんな花

知人に会い話し始めた先行車

父親が留守で元気のいい息子

血も涙も親もあるんだ誰にでも

チャンネルのように替えたいこの頭

注意など聞かない頭何思う

聴診器幼子の風邪良く効いて

チョコ持って弾む笑顔で駆けてく児


つい猫には甘くなっちゃう許しちゃう

通説がたまに逆転する不思議

通知票貰ったようなお給料

疲れたと休息増えて超多忙

疲れてる時を察して見てる犬

つながれて野を駆ける夢見てる犬

強さより優しさ選ぶ君が好き


出番待つお雛様まだ箱の中


童心のままで成長した大人

動物園見に来た人が見られてる

童話って割と残酷なんだよね

時の流れもどこ吹く風のおばあちゃん

どこだろう人見てポチが鳴く目安

床に就く気力がなくて起きている

どこまでも転がるように落ちる坂

年があるばかりに弱気おばあちゃん

年かな〜寝ても食べても疲れてる

どの家も同じ悩みと聞いている

取りあえずここは頭を下げておく

取りあえずこの場はハイと言っておく

パート1-5 な行


治すよりうまく付き合う花粉症

仲良しも口を開けば傷が付く

泣きたいのこらえたんだなあの空も

なごやかをひっかき回し去った人

何言ってもあなた(君)のペースになる話題

波風は立てたくないと目をつむる

悩んでる心にグサリ刺す言葉

何べんも言っていい足りない言葉


二回目はあなた許してくれますか

逃げ道を残して母は鬼になる

逃げればいい思った途端楽になり

人間の味を出してる顔のしわ


猫居なくなって写真がグッと減り

ネコにされネズミになった児と遊ぶ

猫にとっては猫中心の町であり

猫を見て子が怠けると言う夫

寝てる子も電話と言えばすぐ起きる

寝ぼけた子の言う弁当を作らされ

眠いなあみんな出掛けた後の家

眠たくて涙も連れて来たあくび

眠りから覚めた木々から動き出す

眠ろうとしたら聞こえて来たいびき


乗り越えた困難先にある自信

のんびり屋の息子の時計進めとく

パート1-6 は行


ばあちゃんは寒くて子には暑い部屋

バイクの音が知らせてくれる子の帰り

恥捨てたら自然に湧いて来た勇気

パソコンにはまって消えていた悩み

バタバタとホラ来た娘走る音

八分目お腹心も丁度いい

母の髪やっときれいな白になり

話したか忘れ何気に聞いてみる

話したらニャーと答える猫がいる

離れてからようやく見えた良い所

早く寝た児に起こされる日曜日

反対をされたらすぐに出た答え


引いてみてダメならちょっと押してみる

ひざの上に乗せているけど猫嫌い

美人だとつい完璧に見えて来て

人殺めどうしようかと悩む夢

人の世で自由奪われ暮らす犬

人の悪い話自分の良い話

人は頼む時だけ別の顔を持ち

人前で年はいくつと子に聞かれ

一人身に夫婦仲良い電話口

避難して来たので鬼を家に入れ

陽の当たる明るい場所で見た鏡

病気でも元気に見えるのが悩み

昼下がり小鳥の声の子守唄

評判を聞いて行きたくなった医者

貧乏も良い味わいのある暮らし

ピンポ〜ン喜んで児が呼び入れる


増えて行き次第に減って行く家族

吹き降ろす風が伝える山の雪

触れたくて犬の様子をそっと見る

文化的生活野生疲れ果て


弁護士は悪人守る人と言う

弁当はお休み息子旅行中


仏様黙ってればと付け足され

本当のことを言ったら切れる縁

本当の私に戻る数時間

ぼんやりとライトが動く霧の道

パート1-7 ま行


前髪にとっては邪魔な私の目

前聞いた忘れた母の長話

まず聞いてトゲ抜いてから出す言葉

まだ浅い心の傷を埋めておく

まだ寒いと賢い虫は出て来ない

まだタバコやめる理由が見つからず

また派手に息子がパンクさせたチャリ

待ってたらそのうち終わる反抗期

守られて子には直接来ない風

魔除けにと飼った黒猫良く眠る

稀にある奇跡希望をまだ持たせ

真ん中に木曜持って来たゆとり

満腹にさせれば機嫌いい息子


見たことはないが釣ったと言う魚

見てるのもハラハラ怖い子の喧嘩


難しいことをわざわざ聞いて来る

娘だけ連れて夫はよく出掛け

無理難題言われ成長してる親


目覚ましが鳴るか試して床に就く

目の前の山で想像してた富士

目を閉じれば次第に見えて来る景色


もう一緒に居たくなくなるまでいたい

もう過去はどうあれ前へ歩を進め

元の箱一度出したら入らない

パート1-8 や行〜


優しさで人の心は満たされる

ヤッホーと言うメールのあなた知りません


ゆく春がもったいなくて止めたくて

油断した隙を狙っている魔物

ゆっくりと溶ける休日パンの上

夢もあるこの世に少しある地獄

夢を見るように描けば花も咲く


夜遊びに出掛ける猫を呼びとめる

良い耳で聞いた雷恐い犬

要領良く上の子を見て育った子

よく動く人はだいたい痩せている

よく見ればトゲもあります薔薇の花

世の中は平和と信じ生きる犬

嫁が金取ったと言わぬボケてない

嫁が金取ったとはまだ言ってない

嫁姑修業だよってアドバイス

喜びは二倍悲しみ癒す満月

喜びも悲しさも倍にする満月


ラッキーカラーと言って着てます派手な色


理想から離れた子供連れ戻す

理想像妥協重ねて今がある


若い気も無理はきかない若作り

忘れてた傷口無惨開かれる

私だって未だ咲いてる四十代

悪いことすぐ忘れるという特技

悪いとこ直せばあなたじゃなくなるわ

悪口を聞かずに生きている平和

パート2「掲載された川柳他」


安全で住みよい日本過去のこと

一回を何度に分ける歯科通い

一大事ゴルフしている太っ腹

エリートのイメージ変わる世紀末

おむつの孫生意気言うがおかしくて

思い出と貯蓄秤にかける夏

髪の話なると話をそらす父

券はずれ近くて遠い地元五輪

子は常に冷静親を見つめてる

さりげなく上手く内情聞いて行く

札の向き正し渡され心地よく

仕方なく買えば出て来る捜し物

小心者大胆になるeメール

授業中静かと思えばEメール

住みよいと言った日本は過去のこと

接待漬け語呂もいいし美味しそう

たまごっち子より預かり汗ぬぐう

体重は標準だけど二段腹

父親の分もと気負う母子家庭

近頃はペットまでもがデジタル化

使いかけの洗剤増やすコマーシャル

悩む程周りは気にも留めてなく

難題が教えてくれるお人柄

何の為来たのか忘れ照れ隠し

話させて聞かせ自慢に持ち込んで

ビール腹欲しがる喉につい負けて

振り向けばいつでもそこに親の愛

ボーナスを見なきゃ決まらぬスケジュール

孫の顔見れば病も癒えてくる

間違いはあの日のチョコで始まった

マスクしてお花見してる花粉症

負けないよ我慢比べね泣いてみて

メモなしの買い物五個がいいところ

夢破れジューンブライドただの梅雨

若者とやっぱり違う若作り

私だってまだまだ咲いてる四十代



*俳句

北風に負けじと向かふ凧一つ

恋人にバラの香りを運ぶ風

残雪の山より風邪の通る道

春休み車の中の騒ぎかな

母の日も働く母の姿あり

約束のバラの園にて洗い髪

2023年01更新



☆川柳の小部屋

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