風香の蝶の舞う丘「ホームページ一覧」 - 川柳の小部屋 

川柳7(2004)

パート1 あ行


愛情というひと手間をかけて煮る

愛想良くニッコリ心アカンベエ

青信号コーヒー缶は誰を待つ

青空の青に恋した彼岸花

赤ちゃんのすぐにいらなくなる玩具

秋風に大きなスイカ持て余す

秋晴れに揺れて輝くシャツの白

諦めたタマは帰りを待っていた

紫陽花が揺れる柳の下で咲く

あしたには変わってしまう心です

明日には見えて来るから慌てない

明日の体調気に掛けながら起きている

温かい手だねと彼は言っていた

温めた手で温める子供の手

新しいお札記念と仕舞い込む

あと少しの年を包んでしまう雪

アドバイスされてアイデア出なくなり

あなたらしくこの世で生きるのが定め

あの山も朝には朝の顔がある

危ないと言われ飛ばずに歩いてる

甘えて来る子にはついつい甘くなる

雨雲が去って多忙な洗濯機

雨上がり澄ました耳に鳥の声

アルバムに落ち葉に埋まる児の笑顔


いいとこで続くみたいに終わる夢

生きている限り勉強だよと言う

生きるのもいいね空には月と星

石焼き芋若き日の母思い出す

いつ来てもいいよ災いへの備え

一心に願う心の咲かす花

行ってらっしゃい後は私の時間です

いつの日か作り笑顔が見てる夢

一歩一歩あわてなくても春は来る

今はない庭の紅葉変わる頃

入れ忘れた箸に娘の怖い顔

嫌なこと忘れる為に早く寝る


薄着の子見てる私が震えてる

打ちあがる花火今だと感で撮る

うちの娘を歯磨き好きにした歯医者

美しい花に似合いの蝶が舞う

美しく蝶を映した水溜り

うつされた風邪の行き先考える

うなずいてくれる人だけ話したい

埋めあって夫婦で越える山や谷

梅干しにそれぞれ仕舞う思いあり

ウルウルさせ見てる犬から目をそらす

嬉しさに寂しさついて回ります

噂などどこ吹く風と聞き流す


駅までと勝手に予定立てられる

絵手紙の枝まだ伸びているらしい

演奏中後ろで親も話してる


起き上がる度にダルマは強くなる

怒り出す時は決まって二人だけ

おさまらない腹の虫にも食べさせる

お世辞より良いとこ見つけただ話す

遅くまで起きてたことを悔やむ朝

夫の稼ぎと猫に話して餌をやる

夫の話聞いてるような子の話

お天気に振り回されて癒されて

オバさんがカメラの前で若返る

おはようと見知らぬ人と交わす朝

おはようのインコの声でなごむ朝

お土産は君が集めている蛙

お湯沸し年寄り残し出掛けます

折り返し地点今さらあわてない

パート2 か行


開演のブザー空気も変わります

回覧の上に×してある知らせ

カーテンを開けてお月見床に就く

限りある命それぞれあるドラマ

カゴを出てインコも羽を伸ばす春

風向きが変わる用事を思い出す

飾られて達磨ニッコリ福を呼ぶ

風に身を任せ自然に生きてみる

風の中舞ってる蝶の心意気

片付いてひと息つかの間の笑顔

悲しみの中で喜び探してる

神様と思いたいけど客も人

神様は全て見ている知っている

から揚げを並んで買った夏祭り

体に良い物が一番好きである

カレンダーめくればみんな過去になる

皮付きのままでとリンゴ渡される

変わらない笑顔をいつもありがとう

頑張らない努力私してみます


キーを打つ私を誘いに来る桜

着替えた服抱え風呂場を後にする

聞き飽きた話私も話してる

聞き上手な耳を育てた人の勝ち

聞く気ない耳に話を切り上げる

帰宅時間時計チラチラゲームする

来た春が私を怠け者にする

来たメールのお世辞に元気もらう朝

気付かれない様に記念日通り過ぎ

気に入ればどんな椅子でも買うつもり

昨日までの迷いが消えた妻の肩

客が来る日は片付けの手も早い

兄弟の久しく揃う笑い声

強風に耐えてた柿が陽を浴びる

金の斧今更ウソと言えません


草取りはもう済んだかと電話来る

暗闇にひとつ蛍の舞う光

黒豆ココア入れて歌ってつい踊り


ケータイの安請け合いに困り果て

ケチャップで太陽描いたオムライス

結婚のお知らせですという年賀

検査検査病名ひとつ絞り込む

剣道を終えた娘の力こぶ


公衆電話虫が恐くて近寄れず

恒例の手作りチョコのお手伝い

コース変え少し運命変えてみる

コーヒーが眠い私の目を覚ます

氷まくら頭の下に手も入れる

こがね虫うっかり踏んだ橋の上

ご近所の子も集まった嬉しい日

コトコトと煮えるお鍋と居る夜更け

子供らの頼みばかりを聞いていた

この顔にあの髪型は似合わない

子の髪を切り続けてる十五年

子の口が家庭事情を暴露する

この中で育つ子の行く末如何に

娘の人形変わって今日は誕生日

この人なら話していいというサイン

子の様子伺う電話かけてみる

ご無沙汰に変わらぬ笑顔ありがとう

ゴミ箱に多分落ちたに違いない

これでもかと自然の怖さ知らされる

転んで起きてひとつ年輪刻まれる

転んでも起き上がるたび強くなる

転んでも最後は起きるダルマです

転んでもやがて達磨は起き上がる

パート3 さ行


さあ寝よう思ってからの一時間

最悪ばかり浮かんで消えてまた浮かぶ

最悪も少し頭に入れておく

逆さになり体力付けるカゴの鳥

坂道に運動不足悟らされ

昨年の金魚すくいの金太です

桜咲くわたし今頃どの辺り

雑草の強さに学ぶど根性

去る者も追います多分あなたなら

猿を見る目も温かい申の年

三十年待って想いを打ち明ける

残雪が我が物顔で冷やします

三男の積もる話とする食事

三男の時も待ってた鯉のぼり

3%の長所見つけて誉める人

三匹の金魚すくえた得意顔


しあわせないつもの朝にまず感謝

幸せな話ばかりを好む耳

幸せはやはりみんなでなくちゃ駄目

幸せも一緒に連れた春を待つ

四角のチョコ溶かしハートにする作業

地震洪水自然の前で立ち尽くす

地震だと教えてくれた招き猫

沈んでもまだ諦めずいる夕日

親しい仲見ていて欲しい第三者

自販機の灯り人より群れる虫

しみにしわ気にした頃がなつかしい

十二ある中であなたは同じ干支

秋分の日だから少し寒くなる

主治医から異常はないと見放され

食事中無言電話に出てしまい

食進む台所には母が居る

食卓にかさむ支払い告げる春

知らぬが仏何も知りたくありません

視力より勘を頼りに通す糸

新札が終わる時代を告げている

新米パパが赤ちゃん抱いた家族連れ


水仙が風や寒さに耐えて咲く

水仙も歌い出しそう春が来た

水仙も聞いているのか嬉しそう

水仙を撮るねを採ると勘違い

スイッチポンあとは任せた洗濯機

スーパーの試食はちゃんと食べていた

末っ子に甘いホローは姉がする

好きなのは黙って餌をくれる人

すぐ甘えるからだ心に活を入れ

すぐ終わる時を静かに見つめてる

涼しさを求めて夜のスーパーへ

涼んでも戻れば温度差身に堪え

捨てるのが下手で不便と同居する

ストーブがすぐに止まるという合図

スプーンは曲がりませんと子が叫ぶ

住みやすいところ真夏は暑いもの

住みやすい部屋に戻して掃除終え


生活に漬かって笑う暇がない

贅沢は言わない全部食べてみせ

成長した子等に子育て非難され

成長の喜びすぐに来る別れ

先生が汗かき食べた夏みかん

センブリの七の花びら良い縁起


早々に終えて澄ましていたい暮れ

育つ子へ無事でと祈り忘れない

育つ子へ見つけて掛ける誉め言葉

外へ外へ心誘惑する春よ

パート4 た行


だ〜れだニャン当ててご覧と目を押さえ

体重計が低カロリーと指図する

大丈夫と夫が採って来たキノコ

太陽のように注いで欲しい愛

蓄えも少しは欲しい体脂肪

出し掛けた所で言葉仕舞い込む

出す人の顔と心を持つ年賀

ただ今と帰宅した子の弾む声

ただ今の声にラスクのいい香り

立ち止まる時も気が合うふたり旅

他人ではないのね痛みまだ分かる

狸親父ハイおはようと偉そうな

旅をしたメロン疲れを癒してる

たまにならいいよ一緒に居てあげる

団らんの会話ニュースに止められる


違う人とその度違うことをする

釣果なく花が励ます田舎道

散る桜未練などない葉の緑


使う場がなくて漢字は日々薄れ

疲れ目にキラリ葉っぱが合図する

作る句に元気と勇気もらう朝

作る人の心いただくお味噌汁

綱渡りしながら育て育つ親

連れてってと父困らせた幼い日


出会うたび仕舞った過去が蘇る

てるてる坊主晴れてニッコリいい笑顔

テレビ消しラジオつけなきゃ動かない

天秤にかけると見えて来る答え

電子レンジが大活躍のお弁当


遠い日の君の笑顔は日々薄れ

とがれてるお米に心見抜かれる

時々でいいから居たい同じ時

得を取る為の貯金と損をする

年寄りと子供元気であればいい

途中下車して会えたのがあなたです

飛び切りの弾む笑顔とすれ違う

友だちの家に出掛けた子に安堵

パート5 な行


なあんにもしたくないからもうやめた

夏痩せを待ってた服をまた仕舞う

七転び八起き幸せ運びます

何ごとも程々だよと酒を酌む

何もかもやめてこれだけ今日はやる

涙キラリ堪えきれずに溢れ出す

悩むならいっそ買わずにおきましょう

何度でも笑顔で話聞くつもり

何度でも桜は見てと咲き誇る


二三年放っておけばゴミになる

日曜の朝はゆっくり日が昇る

二度とこない今日この時よありがとう

人間に戻してくれるゆるい服


ネットでも集う優しい心たち

寝てばかりじゃチリが積もるわおじいちゃん

眠い目にまだパソコンを見せている


残された暑さ燃やして曼珠沙華

野良猫をタマの敵と追いかける

のんびりと観覧車乗る干支の猿

パート6 は行


履く人の無事を願って磨く靴

話したらよそ者なんて呼ばせない

花の香が眠れと誘うお昼過ぎ

母がいて大げさになる甘えっ子

母娘一緒に映す試着室

早起きして今日は時間を追いかける

晴ればかり望みはしない欲もない

パンクした迎え頼むと言う電話

判断をされる見た目を整える

ハンドルを握ればセブン探す癖


光る石小さい頃の宝物

久しぶりに会えばご無沙汰まず詫びる

ひっそりと黄色く咲いた花の夢

必要があって立ってる今の場所

ひと言に乾いた心潤され

人ごとの様に話して笑ってる

ひと言を写真にキラリ光る花

ひとつずつ済ませて消して軽くする

ひとつでも若く言われてみたい年

ひと手間を掛けて言葉のトゲを抜く

一人増え愛の配分変えてみる

向日葵が太陽さんを待つ夜明け

表示より感を頼りにお買い物

病名が消えて浮かんで医者へ行く

ピョンピョンとカラスが跳ねる土手の上

昼寝して夫待ちます良い笑顔

広げても人には二つしかない手


封印をされて行き場のない言葉

プーさん一家も娘の部屋に住んでいる

風船を真似てリンドウ膨らんだ

無事終わり今日の日を消すカレンダー

冬のがいいと思わせちゃった暑い夏

振り回してみたい今度はお天気を

降る雪に夢ふくらんだ幼い日

風呂上り見つけた白髪切っておく


下手なのもいいね私である安堵

便利さに恐さも同居する電話


包丁を研いで新巻鮭を待つ

ホーホケキョ姿見せずに癒します

吠えられた小さな器吠え返す

ほおずきをキュッキュ鳴らしていた笑顔

干し終えてホッと一息空の青

ポケットの中でハンカチ洗われる

程々といつでも逃げて行く覚悟

誉め言葉だけを残してゴミに出す

誉められて誉められ過ぎた分の照れ

本物はおとぎ話の熊じゃない

パート7 ま行


まじめに主婦しておろそかになった趣味

マシュマロのせいねと伸びた背に拍手

まだダメと酷使した目のストライキ

豆まいて福がニッコリ春の風


磨いても若い肌には敵わない

緑の葉を赤へと変えて燃え尽きる

みな同じ子供地球の宝物

みな出かけひとり食事が美味しくて

見るものがキラキラしてた幼い日

未練など露ほどもなし散る桜


向けられたカメラ童女も顔を出す


めくったらもう書かれてるカレンダー


もうついて来ないウロウロしてた犬

物事の一つ一つに訳がある

パート8 や行〜


約束した時の気持ちに嘘はない

やさしい顔言われ照れてる達磨さん


夕暮れになると家路に急ぐ足

雪眺め秒針の音聞いている

夢でいい叶えば尚いい夢描く

ゆるい服着たら体がすぐ甘え


良い時期は足も速いが気も早い

良い夏の思い出ばかり語る秋

妖精がお花の下で雨宿り


来年はきっと着れると仕舞う服

ラブラブのお手々つないだ手にインコ


立春と聞いた心が春を呼ぶ


連休の長蛇の列の最後尾


若いねと探した末の誉め言葉

わかるよ俺母ちゃんの子と言う息子

忘れたメモ思い出してはカゴに入れ

忘れ物届ける為の一時間

渡したら最後返して貰えない

我生きる今この時を過去にして

2020年07月更新



☆川柳の小部屋

ホーム へ