風香の蝶の舞う丘「ホームページ一覧」 - 川柳の小部屋 

川柳8(2005.01〜06)

パート1 あ行


赤いリボン付けたら似合う白い首

秋枯れた花も春には花咲かせ

諦めた夢は老後に取っておく

諦めた夢を時々出してみる

朝早く雷様に起こされる

あしたかも百かも命終わる時

足取りを一時止めて見る夕日

明日にならなきゃいいなだなんて塾前夜

明日の元気保障ないけど信じたい

与えられた顔で生きよと不公平

温かな空気福呼ぶ温い風

新しい命はらはら舞い落ちる

暑くなることを忘れている体

あと998羽折るところ

あと五年我慢しようと決めている

あなた色に染まるあなたの小物たち

あなたでいいやはりあなたがいい私

あの人と知らず話していた電話

アパートに着いたその日に受信料

甘え上手でタマはみんなの人気者

雨上がり花びら敷いたアスファルト

雨の日の為にお花の傘を買う

雨は雪に変わって白くなった山

雨降らず暑さばかりの梅雨に居る

在りし日の君思わせる若芽かな

歩いたら止まれ曲がれと予想外

アルバムの君の笑顔はセピア色

あれこれと食べて安堵のお茶を飲む

あれこれとやって花ならまだ蕾


言い分があっさり通り決まる役

家離れ独り暮らして得た力

言えるなら言い分だって言うつもり

家に居るばかりに次は猫の世話

家離れ予想以上に子は育ち

家を出た子の無事祈り守る家

イケメンがさり気なくするボランティア

急がなくてもやがていつしか過ぎる時

痛いのは休めばいいという答え

いたずらな熊は冬眠させておく

痛む目に無理させ本を読ませてる

一度会っただけでも分かり合える人

一度咲いた花は寒さもいとわない

一日を無事に送って積み重ね

一年の無事を祈った初詣

一夜明け新たな年が動き出す

一夜明けもう新しい年の中

いつ死なせてやろうか神も迷ってる

いつだって輝いていた頃のまま

いつだってパソコンというお友だち

言っちゃいけない言葉何度も聞いて来た

一時の暗闇迫る前の空

いつまでも咲いてばかりはいない花

居眠りをしていましたと顔に型

今着てる服はいつでも脱ぐつもり

癒されたい心あなたに会いたがる

癒やすため咲いてるような花を撮る

イライラの訳を吐き出させる作業


打ち明けて荷物降ろした日の背中

腕のいいあなたならばとポーズとる

梅干しが寝てる体を目覚めさせ

嬉しくて多分笑いが止まらない

運のいい桜は池に落ちて咲く


絵手紙の文字にあなたを見ています

縁のある人へ人へとつなぐ縁


黄梅がひっそり家の裏で咲く

大空を飛んだ鳥にもあるドラマ

お気に入りと共に幸せ感じてる

押し花になってあなたと見てる夢

おしゃべりなインコの声で朝迎え

おしゃべりも今日の予定に入れている

お正月らしさが減って楽になり

お互い様とそこまで来てる助け舟

お互いに考えている途中下車

夫との間に猫が丸く居る

お出掛けにカメラと笑顔忘れない

お天気がとても良かった分の冷え

おとなしく猫寝てる間のお片付け

お隣の喧嘩の声を子に聞かれ

同じ場所で共に過ごした同じ時

鬼出して福呼び寄せて春が来る

おばあちゃん気分で見てるランドセル

おばあちゃんと娘に弱いお父さん

お昼寝が済めば遊んでくれるタマ

お守りは家族揃った日の写真

思い切り吹けば治まる春の風

親である育つ大地に根を下ろす

パート2 か行


解禁で嫌だ3びき釣って来た

快復の兆しに春のいい予感

限られた鉢で根を張り咲かす花

カゴを出たインコもボクの膝が好き

数ある中思い悩んで決めたチョコ

家族だとすぐ分かっちゃう顔と顔

片言を理解し餌を食べる犬

片隅で寝息をたてて癒すタマ

片付いて風が波打つ麦畑

合併の話してから言う住所

悲しみがあふれ出したか雨が降り

花粉症と甘えて来た子目が赤い

仮免を持つ子を乗せた日の走り

変わらない意思が待ってて困り果て

元旦も溜めずにざっと主婦しとく

頑張ったタイヤが印す急カーブ

頑張り過ぎる人へ病という救い


聞かなかったつもり座っているベンチ

聞こえるともなしモナリザの笑みうかべ

傷付ける罪な言葉の捨てる場所

奇想天外当たり前ではないあなた

急用がなかった時の立ち話

今日食べていられることにまず感謝

共通の兄との話題親が居る

共有の時間あなたと持つ至福

切り札はこんなことでは使わない


口開けて食べようとして目が覚めた

クリスマスに間に合うように降った雪

グルグルと喉を鳴らして猫が来る

来る夏を前にバッサリ髪を切る

来る春を待ちかねていた杉花粉


ケータイを忘れポッカリ空いた穴

元気なうちは助ける側に回りたい


鯉のぼりに夢を託した池の鯉

工作をやらされている夏休み

更年期の頃はいいよとおばあちゃん

恒例のお菓子作りは延期され

子が帰省するとお料理したくなる

ここだけの話は風に乗りたがる

ここだけの話を仕舞う場所がない

心ふたつ聞かない方が良い本音

コツコツと溜めては測る骨密度

言葉から生えて来た羽出た尾ひれ

子の成長ばかり願った付けの老い

子の為とすればする程子は離れ

これも修行か良くもならずに生かされる

転ぶしか助かる道はない滑り

パート3 さ行


最悪を思えば何のこれ位

最後まで勝つと思っていたい夢

下がってから上り始めたエレベーター

咲きたくて胸はずませて待つつぼみ

咲く時をじっと待ってて開く花

咲く花が近い別れを告げている

咲く花が春をどうぞと差し伸べる

雑草も一緒になって咲いている

寂しさも一緒に包む青い空

残像の中のあなたと生きている

三寒四温卒業式で運試し

三寒の次はお日様こんにちは

365分の1の夜が暮れる


幸せな顔を集めた写真集

幸せな家族ですよという写真

幸せは少し仕舞えと届く箱

幸せを描いたような年賀状

しおれても得意なことで開く花

しおれてる母に娘のくれる水

時間よ止まれどんな今でも今がいい

自信過剰になりそうお世辞ありがとう

死にたいと言葉の武器を持ち出され

死にたいと前置きしての自己主張

死にたいの言葉を聞いている我が身

しばらくはあなたの元で咲いてます

ジャガイモの芽に負けないように食べている

ジャガイモは暗いお部屋で眠らせる

じゃれて来たタマに忙しそうな振り

十歳は若く見られる服を買う

受話器から母には見える子の笑顔

純粋でどんな色にもすぐ染まり

小学生までは遊んでもらえます

生姜湯飲んで心を温める

錠剤のあとは目薬点鼻液

冗談と弁解だってする寝言

知るほどに出会う笑顔が温かい

新入りの若い猫には気も遣い

信号機遅刻覚悟で待っている

信念を通すあなたのマイペース

心配をする人だから話せない


水仙が花を咲かせて春告げる

水面に落ちてしばらく咲いてます

スーパーで簡単レシピ考える

好きな人に家族写真を見せられる

すぐそこに来ていた春を見失う

涼しくなったばかりに服がまた出され

スタートを切るその為にまず雑事


生態を知れば全てがいとおしい

千羽鶴はじめの二羽が私たち

川柳は楽しむものと言っておく


掃除した分だけ心リフレッシュ

早春の寒さに犬も丸く寝る

そそっかしいと聞いて親しみ感じてる

その色と甘さを誇るミニトマト

そのうちに星や月にも見放され

その角を曲がれば遅刻免れる

その続きあとはメールが繋ぎます

空とぼけ何時間でも待つ覚悟

それでまだ許してあげるつもりなの

パート4 た行


大自然の変わる温度でするおしゃれ

大丈夫すでに心は春の中

体調にソッポ向かれた日の不安

体調を良くしてるのはこの薬

タイムリミットまでのスイッチオンにする

太陽がゆっくり少し春が来る

太陽がまだ高いので一眠り

抱っこされ越して来た児が中学生

楽しげな会話思わず出る笑顔

度重なる地震が残す爪の痕

騙されないようにと聞いているニュース

たまったら悲しいドラマ見て流す

ダメなのと気にしてるのはあなただけ

タンポポの綿毛が思い描く風


父の顔になって子供と遊んでる

父の日へ娘迷わず選ぶ品

チチンプイプイ母の秘密の隠し味

ちゃんと食べちゃんと休んだ日のゆとり


次々と膨らむ夢の中で生き

償いが出来る世界に住んでいる

つつがなく過ぎた私の二十年

釣って来た魚は食べて供養する


定期券忘れちゃったという知らせ

出かかったクシャミ息子に邪魔をされ

出来なくても笑ってられることが増え

手作りの娘のチョコをプレゼント

手の平に乗せたサプリは拒絶する


遠くから親は見守り祈るもの

どこもかしこも老いて行くのか生きる知恵

年頃の子を持つ友と語り合う

突然にやって来たよう子の別れ

飛び出して来そうな犬のカレンダー

飛ぶ時期を人に告げずに渡り鳥

鳥たちが羽すり寄せて暮らす里

酉年だよインコに話し餌をやる

酉年でインコみたいに立てた髪

パート5 な行


内定に新たな不安もう芽生え

中で見た景色と違うカゴの外

仲の良い二人相手を思いやる

懐かしい思い出詰まる柏餅

何事もなかったように来る電話

何事もなくて記憶もない好い日

菜の花が心に春を連れて来た

生意気も成長過程 聞き流す

波に消すことも大事な生きるすべ

なるようにしかならないことの憤り

何艘も持ってる母の助け舟

何にでもすがって頼む受験生


二回目は注射と分かり吠える犬

賑わいは避けてのんびりマイペース

二十年住んで私らしくなる

似たような笑顔が並ぶ年賀状

ニャゴニャゴとうるさがられて待っている

庭先で咲いてた椿まだ見える

庭の樹が減ってウグイス来なくなり


抜き足でシャッターを押すタイミング


寝かせないファンヒーターの温い風

寝てばかりの猫で家族を和ませる

寝不足の痛い頭が苦笑い

寝る時は猫も独りになりたがる

眠れない代わりに見せてくれた夢

眠ろうとしてる娘を襲う咳


延びて来た寿命分だけ若返る

伸びようとしてる頭を抑えられ

飲み終えたお茶の向こうで待つ仕事

乗り越して行った電車のあとを追う

のんびりが好きで近場でお買い物

のんびりと命ゆっくり終わらせる

のんびりの私を急かすカレンダー

パート6 は行


吐き出してバランスとって生きている

励ましがあって感謝の今がある

箱入りの猫で大事に飼ってます

パソコンする横で寝て待つ猫がいる

パソコンを休めば治る目の痛み

初夢で見た子が一人顔を見せ

花びらになって折鶴舞っている

羽つくろう鳥も独りになりたがる

バラ色に輝いていた頃の夢

春の陽を浴びて心に咲いた花

春よりも訪れを待つ時が好き

万歳して私を見てる干支の酉

半分は本音別れという言葉


引きたくないクジに当たるという覚悟

引き出しに仕舞った過去に触れてみる

陽だまりで時を忘れて立ち話

人から人つなぐネットで友が増え

人ごともやがて私も通る道

ひとつ咲きふたつみっつと別れの日

ひとつずつ重荷降ろしたカレンダー

独りになってパソコン向かう夕食後

ひび割れをすかさず埋める子供たち

病院で読破しようと決めている

開くのを待ちわび描いた福寿草

拾ってくれる神もいるさと歩き出す

陽を受けてみどりゆらゆら風任せ


不機嫌を当たられているカゴの鳥

襖から無事通り抜け来た煙

吹っ切れて嵐の去った晴れた顔

不満ですですが感謝もしています

不愉快な顔を我が家に持ち帰り

風呂場まで持って来られて出た電話

降る雪の中へと急ぐ子を送る

文明を追って追われて暮らす日々


別人になって笑顔で出る電話

別腹にストレス分を詰めている

勉強好きになる鉛筆を買ってやる


冒険をしない私の服選び

程々に吹けば嬉しい風となる

程々の暑さビールを美味くする

微笑みをすぐに返してくれた笑み

誉め言葉全て本音とインプット

本能に任せています分かれ道

パート7 ま行


前髪をあの娘も斜め切っている

まず棚に上げてゆっくり料理する

まだ咲いていたくて落ちた水の上

未だかまだかと庭の桜の樹を眺め

待ちわびる春に我が子は巣立ちます

待っている時の楽しい使い道

待ってると沸くまで長いヤカンの湯

まとめ役の長男福を連れて来る

マニキュアに少し呼吸の邪魔をされ

回らない首の痛みで目が覚める


見え過ぎて困った時は目を瞑る

見送って一人になれば眠くなり

見送って猫と一緒にティータイム

水色と白のハート手袋はめて寝る

皆違う人と比べてしまう癖

身の丈に合った荷物のその重さ

身は風に任せた明日も風任せ


虫も鳥も人も共存する地球

息子の時は気にしなかった別れの日

無駄なことばかりにかけて来た時間


迷惑メール削除にかけて来た時間

目に浮かぶ花の香りも蘇る

面倒なことから済ませ軽くする


もういいよって言ってください青い鳥

もう過ぎた半分の年振り返る

もうそこまで来ている春を告げる花

もう守るものなどはない一人旅

持ちつ持たれつどちらにしてもありがとう

持ち分を咲かせただけとライラック

パート8 や行〜


やがて来る別れを思い時を待つ

やさしさが強さに負けたお人柄

やさしさに削る命のおもてなし

優しさは何より風邪に良い薬

やさしさを文字に託して届けられ

やたらには出さない母の助け舟

やりかけてもう始めてる違うこと


夕食の支度しながら朝ご飯

雪かきを終えてまた降る雪をかく

雪景色の中で嬉しい花便り

雪少ない方の神社へ初詣

ゆっくりと進む独りでいる時間

夢と知り寝てる娘を抱きしめる


良い結果に安心したかすぐ治り

良い点のはずのテストに裏切られ

要領の良さは兄ちゃん見てたから

喜びの卒業式は別れの日

喜びも悲しみまでも独り占め


リモコンで少しテンション上げてみる


若い気を老いた体がたしなめる

若葉マーク先入観が気をもませ

わざと穴あけて今度は縫えと言う

私が居なくなっても咲く花よ

わたし見て話し出しそう縫いぐるみ

悪いニュース浴びて成長する子供

我先と飛び立って行く鳥の群れ

2022年12月更新



☆川柳の小部屋

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