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風香の詩11のパート3

*どう変わっても


突然の腰痛を訴え
おばあちゃんが入院した
少し良くなって
車椅子に乗せて貰えたが
七十日の入院生活で
立てない、歩けない
分からない

行く度に
いろんなことを聞かせてくれたり
いろんな姿を見せてくれるんだけど・・・

お願いだから
驚かせないで
心配させないでって
思うんだけど・・・
本人は何にも覚えてない

さて次は
どう変わっているのか

どう変わっても
良かった日を思い出して
これで良しとしておこうか
おばあちゃんは
もうすぐに
八十七歳になるんだよ

2009年10月18日 06時03分47秒

*ハッピーエンド


どんなお話も
ハッピーエンドがいい
おじいちゃん
おばあちゃんの
お話を書いたとして
最後はやはり
幸せでなければ
最後は穏やかに
おじいちゃん
おばあちゃんの物語を
終わらせてあげたい

2009年10月18日 06時05分20秒

*最後の願い


「もう少ししたら
お花が咲いて
ここからお花見ができるわね」

転院して来たばかりの
父の病室の窓辺に立って
私が話しかけたのは
一月も終わろうとしていた頃だった
明日の命も知れない父に
せめて夢だけでもと
かけた言葉だったが
数日後には
もう話も出来なくなっていた

あれから二ヵ月半が過ぎ
桜が咲いた

うっとりするような桜の花
この世の春
しばらくこのまま
私の大切な人が
向こうにいくまで
あと少しだけ
季節が止まっていて欲しい

沢山のお願いをして来たけれど
もう父のことでお願いするのはおしまい
私の最後の願いです

2009年10月18日 06時06分09秒

*いつでもいいように


o2 いつでもいいように


*いつでもいいように

人は
永遠じゃないから
人だけじゃない
地球上の全てが
永遠じゃないから

明日にはもう
どうなるかも知れない
今この時を
大切にして

今ここで
全てが終わっても
いいように
いつでも
いいように
しておきたい

2009年10月18日 06時06分55秒

*水に流す


水に流して
生きる道を選ぶ
これからも
この生活を続けなければ
ならないのなら
いずれは
全てを流す日が来る
その前に
今を生きる為に
水に流す
心穏やかである為に
水に流す

2009年10月18日 06時07分41秒

*無理しないで


やらない方がいいから
やる気が出ないんだよ
無理しないで
自然に任せたらいい
やった方がいい時は
嫌でもやらずには
居られなくなるから

好きな事をしていたら
元気でいられるんだよ
無理しないで
自然に任せたらいい
好きな事のためなら
嫌でもじっとしては
居られなくなるから

2009年10月18日 06時08分20秒

*優しい言葉


「思ったことは
何でもはっきり言って
早く幸せになってね」
お見舞いに行った私に
義母が優しく言った

寝たり起きたり夢現
誰が誰なのか
分かったり
分からなかったり
誰だと思って
言ったのでしょう
私にかけてくれた
優しい言葉は

2009年10月18日 06時09分07秒

*言ったところでね


「どうして裸足で
外に出るの?」って
ネコに言ってもねぇ〜
そう言っているのと
あまり
変わらないような
そんな気がして来た

ふきんで
手を拭くし・・・
・・・・・
な〜んて
言ったところでね

2009年10月18日 06時09分43秒

*同じ時を一緒に


もうすでに
父の体のいくつかは
壊れてしまったけれど
今なら未だ 
同じ時を一緒に
過ごすことができる

また明日の朝を待って
夫と子どもを
送り出してから
父が居る病院に行こう
明日も未だ
同じ時を一緒に
過ごすことができる

2009年10月18日 06時10分30秒

*ご先祖様に


もういいです
今まで父を
有難うございました
祖父に祖母に
伯父伯母にご先祖様に
お迎えをって頼みます
いつまでも引き止めて
ごめんなさい
あ〜 それから
息子夫婦に
子どもが生まれます
いい嫁です
お守り下さいと
付け加えて

2009年10月18日 06時11分07秒


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