結婚する前「子供は五人欲しい」と主人が言いました 「そんなに?」と笑いながらも 私はいつしか心に決めていた 口には出さなかったけれど 私の子供たちには 是非こんな素敵な立派な人を父親に持たせてやりたかったから
「子供は五人」 これが主人と私の初めての約束
それから結婚して 男の子が生まれ 又男の子が生まれ 女の子 男の子と 次々に元気な赤ちゃんを授かることができました ところがそんなある日 主人は突然「もう子供はいらない」と言い出したのです 「何故?五人という約束だったじゃない?」 私が言うのも聞き入れず 「もっと早く五人生まれていたら良かったんだけど もう年だから子供が成人する前に定年になってしまうからな」 これが主人の答えでした 私は「約束だったじゃない どんなことでも言うことを聞くから私のお願い聞いて」 そう頼みましたが 私の言葉など主人には通じませんでした
ところが 四番目が生まれてから八年後に なんと待望の五番目 女の子が生まれました 私はどんなことがあっても五人と決めていました 主人との約束だったから 五人と信じていました 主人は最初「どうしてこんなことに・・・」と言う顔をしていましたが 今では五番目ももう六歳 上の子供たちも 大学二年、高校三年、高校一年、中学三年と 親離れする年になり 「もうお父ちゃんを相手にしてくれるのはみさちゃんだけだよ」と 主人は目を細めている
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