長男が通っていた高校へ
今は長女が通っている
久しぶりに
長女を送った帰り道
長男を送ったあの日が
よみがえって来た
今見て来た高校生の集団の中に
長男の友達の姿があった
電車を降りると
みんなが一斉に高校へと向かう
その、人、人、人の中に紛れて
何を話しているのだろうか
楽しそうに笑う
彼の姿が
私の頭の中に
はっきり見えた
彼はまだ
あの高校を卒業していなかったんだ
どうしてだ
どうしてなんだ
彼は
もう
いない
先日久しぶりに
電話をして来た息子が言っていた
「母ちゃん、オレ、いつ死んでも
幸せだから
母ちゃん、オレが死んだって
悲しまないでくれよな」
嬉しそうに話していた
私はそれを聞いただけで
涙が出た
息子が「幸せだ」と言ったって
居なくなってしまったら悲しむよ
ずっとずっと
私が生きている限り
悲しむよ
息子の友達が居なくなったことで
こんなに悲しんでいるではないか
もう二年も経つのに
こんなに泣いているではないか
|