愛想尽きそれでも一緒逃げたらと 言われたけれどまだここにいる
明日などもう無いかもと思いつつ 届いた服は今すぐに着る
当たり前みたいになった優しさに ありがとうって感謝を込めて
暑かったあの日懐かし薄物と 仕舞う夏の日一緒に終わる
あの時はゴメンと軽く言われても 石に刻んでもう消せません
あの人がそう言うのには訳がある 何年かのち身を持って知る
溢れるような孫のパワーを少しだけ もらい電車で帰る夕暮れ
いい人と思えるうちに離れたら もっと私は良い人だった
いい風にゆらゆら揺れて嬉しそう クルクル回れコスモスの花
いい物とありがたそうに食べていた 私の体は拒んでいたのに
いい遊山させて貰いと笑みこぼす 母の分もと温泉につかる
言うだけの人はいいなと言ったから 言うのが仕事なのねと答え
いがぐりも柿も実を抱き照り返す 炎天の下秋を待ちおり
生かしておいたら払ってやれるそう言った ばあちゃんすでに百歳越えて
生きて百年いずれは終わるそれまでは 生きる姿を見せておきたい
生きることちゃんと寝ること食べること それが出来たらやりたいことを
一日の無事感謝してまた眠り 一日の無事祈り働く
いつだって一緒だったねありがとう 今も変わらず私の中で
いつだってスキップしたくなるような 心ずーっと保っていたい
いつだって方向転換Uターン 自分のことは自分で守る
いつの間に盗まれたことになっていた 病院に置き忘れたバッグ
居なくてもいい幸せも寂しさも だから何って言われちゃうわね
居なくても寂しくなんか無いんです 私自身があの人だから
亥の年に生まれた子が二人 三十六と二十四歳
今までのどの時よりも今がいい いいと思えることの幸せ
今までの中で一番いい時が 今と思えることの幸せ
いろんなこといっぱいあった夏が去り 秋が優しく手招きしてる
美しく咲いた姿を湖が 写し出してる紫陽花の花
運動の話になるとばあちゃんの 駆けっこ自慢で終わる食卓
AIと付き合うコツは先ず休む 疲れた私甘い誘惑
AIと付き合うのなら先ず休む 人はくたびれ相手は平気
Aさんはハッキリ言うのとBさん 私を誘う理由はそこね
駅に向かう連休明けの曇り空 一駅ごとに増える乗客
思い出と夢を残していった君 身軽になって宙を旅する
おいとまする日々の支度は欠かさない この体には戻れない旅
お口もぐもぐ初めて味わう孫の顔 いいな人生始まりの味
置く場所があるんだからと言うあなた 共同生活ストレスの日々
怒りだけ笑わせるのは思うように いかないだけのそんな日々かな
おばあちゃん来てよと孫が駆け寄りて 大きくなった自転車見せる
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