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風香の詩12のパート2

*笑顔


もう十分生きたから
もうこれ位に
して下さいって
お願いして来たの
と、おばあちゃん

でも一緒に出掛けると
あ〜楽しかった
また連れてって
また美味しいもの
食べましょうよって

また会いたいな
おばあちゃんの笑顔に

2013/6/13 (Thu)

*息子の言葉


「母ちゃん
実家に帰らせて
頂きますなんて
どこにでも
ある話じゃない」って
中学生位だった息子が
吹き出しそうに
言うもんだから

あれからお母さんは
殆どのことが
どこにでもある話って
考えられるように
なったんだよね

2013/7/5 (Fri)

* 母の施設入所


独りで頑張ってた母も
手首を骨折して
ついに施設に入った
不自由な体で
やっとの生活も
家しか知らない母には
家で暮らすことしか
考えられなかった
施設に入って初めて
独り暮らしは
無理だと知った母
あの時は痛かったけど
良かったって
思える日が来たらいい

2013/7/11 (Thu)

*母


家の中で独りになって
色んな不安が
膨らんだんだね
あるはずのない事を
怒って言う
母になってしまって

施設の中で見守られて
人の優しさが
嬉しかったんだね
良くやってくれると
幸せそうに話す
母に変わった

2013/7/11 (Thu)

*おばあちゃん


ひどいこと言ったのに
良くやって貰って
ひどいばあさんで
悪かったね
と、おばあちゃんが
言うから
ひどい嫁で悪かったね
と、私も言った
二十七年一緒に暮らし
離れて暮らして五年
私の顔を見ると
孫のことばかりの
おばあちゃんが
今日は珍しい事を言う

2013/7/13 (Sat)

*笑い話


あ〜でもない
こ〜でもない
なんて言ってないで
俺の言うこと
聞いてりゃいいんだ
って

もう三十二年

大変だったことも
笑い話に変わった

いずれこの言葉も
笑い話に変わる

2013/7/31 (Wed)

*言わない


話したいという
欲求があるから
情報はもれると言う

いっぱい
聞いているはずなのに
おはよう
こんにちは
うふふふふぅ〜
としか言わない
うちのインコ

余計なことは
言わない

2013/11/5 (Tue)

*それぞれの道


おばあちゃんは
今の生活にも
すっかり慣れて
ここに居た時よりも
何だか幸せそう

子供たちも
次々と家を離れて

この子も
春には家を出て行く
自分の道を見つけに

次は私の番

2013/11/5 (Tue)

*日々の生活


空いた時間を使って
少しずつやって行けば
良かったことを
日々の時間を割いて
やっている私の姿を
古いアルバムの中に
何枚も見つけた

今はもう出来ない
その時々であった
当たり前の生活

当たり前だけど
大切だった日々の生活

2013/11/19 (Thu)

*思いを超えて


お袋の誕生日
二十一日だっけ?
二十三日だっけ?って
二十一日!
二十三日は犬の誕生日

今日エリさんの誕生日
と言うと 二十九日
何かあったな〜?って
それは先月!
私たちの結婚記念日
どうせ忘れてると
思っている私の思いを
はるかに超えて

2014/1/7 (Thu)

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