*私のペースで右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても競うことばかり私は競うことなどない所でのんびり行くのがいい私のペースで進んで行くのがいい
私の周りのそれぞれの顔を思い浮かべる一人一人をゆっくり思い浮かべながらそれぞれが望んでいることを考えてみるそれぞれの幸せを考えてみる
「お父さんもお母さんもぼくが小学校一年生の時はこうだったって話すけどぼくはそんなこと何も覚えてないから」「ぼくは嫌なことは忘れることにしているから」息子がそう言うから私ももう忘れよう
きっとあなたはあの時どうかしてしまっていたんだわそう思うことにしたそう思って忘れることにしたまたひとつまたひとつ忘れることにした忘れることにしたことだからそれが何回あったかなんてそんなことはもう覚えてはいない
苦しい思いで無理して断ち切ろうとしなくても時期がくれば簡単に忘れられる片付けようと無理して捨てたりしなくても時期がくれば簡単に捨てられるやる気がない時無理して頑張ろうとしなくても時期がくれば簡単にやる気になれる必要なことは時期がくれば簡単に出来るはずだから私はもう無理して頑張ったりはしない
年々年を重ねているのに私の心はいくつになっても変わらないから 毎日見ている鏡の中の私の変化に気付いた時はこの頃疲れちゃったのかな?とまだ思っている私 毎日見ている鏡の中の私の変化を受け入れられずに美容にいいと聞けばすぐに飛びつきたくなる私
*おはよう 朝起きて鳥かごに掛けてあるタオルを取ってインコに「おはよう」と声をかけていたらいつしかタオルを取るとインコの方から「おはよう」と声をかけてくれるようになった今日もインコの元気な「おはよう」の声で始まる私の一日
ケータイが鳴った時手が離せなかった私は娘に出るようにとケータイを渡すと娘は「苺のへた」と言っている何のことはない仕事が終わった夫の「今から帰るから」と「今日の夕飯は?」との電話だ私も時々ふざけて昨夜の残り物ばかりを並べてみるのだが「苺のへた」とまでは言わない目の中に入れても痛くない可愛い娘の冗談を笑っている夫の顔が目に浮かぶ
*あやめ 嫁いで十五年が過ぎた頃実家に立ち寄った私に持っていって植えるようにと父が庭のあやめを少し分けてくれた翌年あやめは我が家の庭で花を咲かせたその翌年もその翌年もそして今年五回目の花を咲かせたあやめの花が咲くたびにまだ若かったあの日の父を思い出す父は知っているだろうかあやめの花が咲くたびに私があの日のことを思い出していることをいつまでも元気でいて欲しいと私が願っていることを
週末に彼女を連れてやって来る大学生の息子を見て「よく家に女の子を連れて来るな〜」と不思議そうに言う夫わたしは何故夫がそう思うのか不思議でならない猫だってネズミを捕まえたら家族に見せに来るのに
*同じ時代に生きる私の周りには沢山の素敵な人がいる強い人可愛い人かっこいい人同じ時代にここで生まれ巡り会えたことが嬉しくてただ嬉しくて私の周りには沢山の協力者がいる恐い人優しい人爽やかな人同じ時代にここで共に生きられたことが嬉しくてただ嬉しくて
丸いビーズで作ったブレスレットをプレゼントしてくれた娘は目の不自由なあなたにお花の形のビーズでブレスレットを作っていましたお手紙を書いて赤いリボンを結んでくれた人は目の不自由なあなたに素敵な曲のオルゴールをプレゼントしたいと言っていました私はあなたと握手して頑張って下さいと言いましたそしてあなたの幸せを心から祈りました
*人生の一ページに あなたの人生の一ページに私も加えて下さるんですねあなたが人生を終えられる時に「あ〜いい人生だったありがとう」と言ってこの世を去る時ほんの少しでいいからあなたにとってのいい人生の一部でいられたら幸せです
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