いつになく
電話から聞こえて来る
息子の声は
はつらつとしていた
どうしたのかな〜と
聞いていると
「俺、やっぱ母ちゃんの子だと思ってさ〜」と
何だか嬉しそう
え〜、何だろうと思いながら
黙って聞いていると
友だちのお見舞いに行って
病院で知り合ったおばあちゃんを
家まで送って来たと言う
「そ〜
喜んでもらえることが
嬉しいのよね〜
そうしている自分が
幸せなのよね〜」と
まだまだ話していたい私の言葉をさえぎるかのように
「俺、母ちゃんの子だからわかるよ〜」
自分のことと
自分の身近な人たちのことだけで
精一杯だったはずの息子が
知らない人のことも
同じ人として
考えられるようになって来たようだ
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